先月にご紹介した、E-ディフェンスでの長期優良住宅の倒壊実験の動画は一般のニュースに流れ、また
ケンプラッツという建築関係の情報サイトでも紹介され、大きな反響を呼んでいる様です。
長期優良木造3階建てが「想定通り」倒壊先月のブログで、「風圧力を見ていないのではないか?」 って書きましたが、説明書をもう一度よく見てみると、風圧力用に不足する分は12mmのプラスターボードで満たしているようでなので、基準法はなんとかクリアしている様ですね・・・・わたしの間違いでした! <(_ _)>
(でも、プラスターボードはおまけのような物・・・私はあまり頼りにはしたくないと思って設計しています)
ということは、本当にまともな「長期優良住宅」が倒壊した!!ってことだろな・・・・いいのか!?
研究者の中では、実際に倒壊は免れた方の住宅は、
・柱脚が引き抜け、全体が大きく傾いた ⇒ この時点で構造が破綻
・構造解析の上では、構造が破たんした段階で「倒壊」と見なす。
・つまり、開始10秒で
(実際には倒壊しなかった)試験体2は倒壊した!
っていう判断になるのらしいのですが、、、、、、、
無理がありますよね・・・・・・
(倒壊するより、浮き上がってでも持ちこたえるすまいの方に住みたいですよ!)
多くの一般の方、設計者、研究者が先の記事に
コメントを寄せています。
伝統工法のように柔らかい構造と、建築基準法が求める堅い構造のせめぎ合い・・・・
堅い構造の延長として長期優良がとらえられ、それが今回の実験での倒壊映像として流れたんだから、、、、
実験の主催者側としては、今回の実験のデータや研究結果をちゃんと公開し、議論の場に出してほしいですよね。
その上で、今後どういった仕様を求めていくのか、多くの人の議論を待ちたいです。
注)
一般の方がこれらの記事やニュースを見て、一般の木造住宅や長期優良住宅への不信感を募らせても困るので、、、、
今回の実験は、極端に縦横比の違う(間口に比べて奥行きの長い)、しかも3階建ての住宅を、誰が見ても弱いと感じる横方向に、建築基準法で想定する地震力の1.8倍で加震しています。
また、主催者側は耐力壁の配置はバランスがいいと書いてましたが、横方向の揺れに耐える耐力壁が外壁に取り付いていない(外壁をTの字で支えれば強くなります)、ちょっと不安のあるプランにも見えます。
真ん中の壁は完全に独立し、垂れ壁(雑壁)も外壁側に通っていない様にも見えます。
(2階建てなら問題ないでしょうが、、、3階建てには無理があるように思いますね)
一般に建てられている住まいはもっとバランスのいいすまいだと信じたいので、この実験結果だけを見て、今の基準は問題だとかは、簡単にはお思いにならない様、お願いします。
一方、木造で3階建てを建てるには、今の基準だけでは不足なのではないかと、、、
長期優良住宅の認定をとったからといって、すべてに安心できる分けでもない、、、、
様々なことを考えながら設計に取り組んでいきます。
すまいを考えられる方、色々な疑問、関心を設計者にぶつけてみてください。
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