先日、
<住宅ローン減税・200年住宅 その1>で、長期優良住宅(200年住宅)の場合は所得税の最大控除額が600万円まで(一般は500万円まで)、とご紹介しましたが、じゃあ、
長期優良住宅(200年住宅)ってなに?
って、ほとんどの人が思ってませんか?
実は、平成21年2月時点で、
ローン減税で示されている「長期優良住宅(200年住宅)」はまだその基準も決まってなく、したがってこの減税を受けられる住宅はまだ一軒もありません。(この2009年2月半ばに、「長期使用構造等とするための措置及び維持保全の方法の基準を定める件」という告示が公布され、6月4日に施行される予定と聞いています。ローン減税で云う200年住宅の認定は、その後になります。)
でも、ハウスメーカーや施工会社の広告で、
「200年住宅に認定されました!」とか、
「補助金200万円!」とか、見ましたよ!
という方が大勢いらっしゃるはず。
実はこれ、ローン減税とは別枠で進んでいる(元はおんなじなんだけど)、
「長期優良住宅先導的モデル事業」(昨年までは「超長期住宅先導的モデル事業」という名称)
っていう、政府による、いわば200年住宅のモデル事業。
200年住宅っていうのは、元々は、福田元首相が首相になる前、平成19年(2007年)に自民党政務調査会の住宅土地調査会長としてまとめた「
200年住宅ビジョン」が、福田さんの首相就任に伴い、そのまま法案化されたもの。
この「
200年住宅ビジョン」の理念の概要がこれ
○つくっては壊す消費型の社会から、いいものをつくって、手入れして、長く大切に使うストック型社会への転換。
○そのために、長期間にわたって循環利用できる質の高い住宅(=200年住宅)を目指す。
っていう、理念はいいですね。((=200年住宅)のところ以外は!)
この理念に基づき、12の提言がなされています。

流通、建設、維持管理、金融、社会基盤・まちなみについての提言
この中で、
提言10:
税負担の軽減と、
提言11:
先導的モデル事業の実施
が、今回のローン減税とモデル事業になってきているのですが、それぞれが別々になっちゃってるんで、多くの方が混乱しているんじゃないでしょうか?
(実は私も、じっくりまとめてみて、ようやく理解できてきました。)
(以下も、皆さんへのお知らせって云うより、「自分のまとめ」的に書いています・・・本当!!)要は、上の
提言10に基づく、減税については、ローン減税としてほぼ決まっているけれども(国会審議待ち)
200年住宅の規格はまだ発表になっていない状況。
提言11の、先導的モデル事業(5年度の予定)
の方が、慌ただしく
平成20年度の事業として、すでに行われ、第1回が平成20年の7月、第2回目が11月に発表されています。
(認定は
独立行政法人 建築研究所が行います。概要は
こちらをどうぞ)
先の、
「補助金200万円」の広告は、この認定を受けたハウスメーカーや工務店の住宅です。先導的モデル事業についてこれは、「200年住宅」っていうビジョンに基づき、どうすれば200持たせることができるか、民間事業者のアイデアを募り、認定されたものは、1戸あたり建設費(原則)200万円までの補助を受けられるっていうもの。
ハウスメーカーや、フランチャイズグループ、工務店の集まり、設計事務所のグループなどが提案を行い、第1回目は40件(603件中)、第2回目は48件(325件中)が認定を受けたとのことです。
各々、受けた認定に基づく仕様の住宅を、認定された年度内につくれば(着工すれば)、200万円までの補助が受けられるということになります。
だだ、認定を受けた仕様であれば、全ての住宅が補助金を受けられるのではなく、認定を受けた事業者の前年度の住宅建設戸数などから、事業者により戸数枠が割り当てられているようですね。
また、認定を受けても、補助を受けられるのはその年度のみであり、次の年度も補助を受けるにはもう一度認定を受ける必要があります。
(このへんのQ&Aは、
こちらのホームページが詳しいですので、興味のある方はどうぞ)
「200年住宅に認定された仕様です」って云っても、前年度の認定で、当該年度には認定されなかったら、仕様はいいけど、補助金は出ません、、、ってことになります。ご注意を。
このモデル事業、21年度は、現在第1回目が公募されており、応募期間は平成21年2月4日~3月16日。
応募して、認定されるのが7月。それからこの認定に沿った仕様の住宅で建てる方を募り、基本設計1ヶ月、実施設計2ヶ月、、、、、かかるとすれば、、、、結構慌ただしいですよね。
第2回目の事業なんかだと、結果発表が11月だとすれば、3月までに着工なんて、、、、すまい手とじっくりプランを練り上げる私たちの設計では考えられない!!
(結局、すまいづくりにじっくり時間をかけて取り組んでいく設計事務所では、なかなか対応できないモデル事業ですね。やっぱり、○○ハウスや、○○の家、っていう、規格型の住宅を考えるハウスメーカーやフランチャイズ展開している工務店のグループなんか向きの事業だなあ。)
次回(って云ってもしばらく後に)、
ローン減税の200年住宅について書いてみたいと思います。
(全ては決まってませんが、概要は発表になっています。)
また、
200年住宅っていうけど、ほんとに200年もつの?・・・って素朴な疑問ありますよね!!
そんなことも書いてみなくちゃ、、って思ってます。
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