1月頃だったか、
リプランという北海道・東北の住宅雑誌の編集社から案内のメールが届いていました。(登録した覚えはないんだけど、、、?)
眺めていると、私の高断熱・高気密住宅で大いに参考にさせてもらっている
新住協(NPO新木造住宅技術研究協議会)が「次世代基準を大きく超える省エネ住宅」を目標にした
Q1.0プロジェクトの内容・実例を本にして出しているとのこと。

エコ住宅 Q1.0(キューワン)
2009年版(定価1,200円)
この手の本にしては安かったので、早速送ってもらいました。
読んでいると、技術的なことは昨年発売した2008年版に書いていると、、、

エコ住宅 Q1.0(キューワン)
(定価1,000円)
200円安い。仕方ない、、、、こちらも購入。
2年程前だったか、新住協の代表、室蘭工業大学の鎌田教授の講演が岡山であり、「
現行の次世代基準の住宅の暖房エネルギーを1/2(本州以南では1/4)で済むようなプロジェクトを考えている」と話されていました。
それがQ1.0プロジェクト。(Qは熱損失係数のことで、「建物内部と外気の差を1℃とした時に、建物内部から外に逃げる時間あたりの熱量を床面積で割った値」。Qの値が小さい程、建物から逃げる熱量が小さい・・・と云うことができます。)Q値は次世代省エネ基準で、
北海道はⅠ地域:Q=1.6以下
私のいる岡山県はⅢ地域(勝山以北等):Q=2.4以下と、Ⅳ地域(久世以南等):Q=2.7以下
(この線引きがおもしろい、、)と定められています。
Q1.0(キューワン)プロジェクトは、Q値を、北海道でQ=1.0前後、本州はQ=1.2~1.6程度にすることで暖房にかかるエネルギーを1/2~1/4にしようというもの。そこまでニーズがあるのか?、、、と思っていましたが、この3年間で既に数百棟の実績をつくったとか!
「次世代基準の高断熱・高気密」さえ、なかなか進まない岡山県の設計者としてはそういう実績はうらやましいかぎりですね。
北海道で暖房エネルギーを1/2に、本州以南で1/4と、本州での目標を高くしているのは、元々、次世代基準の温暖地域での基準値が北海道に比べて緩かったことによります。
(温暖地でいきなり高い設定にしても、誰もついてこないと、、、という計らいから、温暖地ではほんとの目標よりも軽い設定になったよう。誘導基準・入門基準・・・って扱いでしょうか)
このため、温暖地域の数値で次世代基準をクリアした住宅を建て、全室暖房をすると、今までよりもかえって暖房エネルギーが増加するという計算結果があるそうです。
ただし、この計算には地域性が含まれていないような気がしています。
先の鎌田教授の講演で
「北海道ではアイスクリームの消費量が夏ではなく、冬にピークになる。なぜなら、高断熱・高気密の住宅が増え、セントラル暖房で家中ガンガン暖め、Tシャツ一枚でアイスクリームを食べるのが一般的になってしまった、、、」
という話をされていました。
この辺りではそこまでは要求されないですよね!
北海道での「寒さ」はガマンできないでしょうが、この辺りでは「元々ガマンしていた寒さ」。
ほんとに寒いところでは、必要暖房エネルギーの計算で、その地域の最低気温と設定室内温度の差を暖房に必要なエネルギーとして、そのまんまの暖房器具を装備するんでしょうね。
上の計算でいくとかなり大きな暖房器具が必要になってきます。
それだけの装備をしておいて、実際には少ししか使いませんでした・・・・・っていうのが理想的だとは思うのですが、、、。
まだまだ予算の中で、高断熱・高気密の”素地”としての「器」を用意するのが精一杯。理想的な暖房器具・容量を(予算的に)確保するのは難しいです!
今の私の高断熱・高気密住宅の設計ではQ1.0仕様には程遠いですが、
・Q値は、その地域の基準よりも一つ上の基準に適合させる。
・暖房器具は今までと同じくらいのコストで、結露をさせない、ほんのりとした暖かさ。(寒さを感じることもある)
・家の中での服装は、外に出る時にコートを羽織るぐらいの服装。(Tシャツは無理です!)
・冷え込む日は、夏用のエアコンで補助暖房をしてもらう。(エアコンは別途なんですが、、、)
ぐらいでしょうか。
今以上の快適性を目指すために、暖房能力を上げるか、断熱の仕様を上げるか。
やっぱり後者ですよね!
安く!快適に!
買った2冊の本を読んで勉強します!
とりあえず、新住協の熱計算プログラムQPEXの最新バージョンを注文しました。
今までの計算をこれでもう一度やり直してみるのも意義があるかも。
カーテンを買い替える時に、最近見つけた、断熱ブラインドなどに交えるだけで、既に建っている住宅でも今以上の高断熱になるでしょうし、それが計算ではっきりと出ればお勧めもできるのではないでしょうか。
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