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高断熱・高気密 西方先生講演会  

岡山県建築士会の女性部会のみなさんが企画した、西方里美先生の講演会に行ってきました。

西方先生

西方先生は、東北 秋田県で西方設計という設計事務所を主催し、北海道の新住協と共に地域に根ざした高断熱・高気密住宅づくりに取り組んでおられます。
一昔前になりますが、「外断熱が危ない!」という本を出され、ちょうどその頃外断熱に取り組んでいた私としては、一応目を通さざるを得ず、読ませてもらいました。

「危ない!」なんて書かれると焦ってしまいますが、まあ、単純に「外断熱の方がいい!」っていう当時の本州の風潮に警鐘を鳴らしたかったようで、単純に外断熱が悪い訳じゃなく、使うなら外壁の垂れ下がりや経年変化に気をつけなさいよ!  って云いたかった様ですね。

寒冷地ではコストを押さえながら断熱化を図るにはグラスウールが基本。
新住協の鎌田教授もグラスウール派ですね。


こちらはその鎌田教授が考えられた、合板による気密工法のスライド。
もちろん西方先生も新住協に参加し、この工法の推進者です。
合板気密工法

ちょうどこの講演の数日後、親しくさせて頂いている同じ県北の建築家から、K邸改修工事で使った断熱材「アイセルン」について問合せの電話を頂き、断熱についての話になりましたが、、、、
「外側に合板を張ると結露するに決まっている!」  とのお言葉。
「いや、そんなことはなくて、内部に防湿シートを張れば、合板との透湿抵抗の違いで、、、、、、、」


まだまだ岡山では正しい高断熱・高気密は理解されない様です・・・・(頑張ろう!!)



こちらは最近流行のアルミの遮熱シートについてのお話。
遮熱シート

このお話によれば、遮熱シートが効果があるのは、断熱材が無いか、極めて薄い場合のみとか。
この図では、効果があるのは、高性能グラスウール16Kで38mm(GW10Kで50mm)以下の断熱抵抗値程度までとなっていますね。

岡山では、外壁に10Kのグラスウールを50mm入れるだけという設計者もまだまだいます。
そういう人たちにとってはこれで十分なのかもしれませんね。


西方先生は寒冷地での暖房方法についてもあれこれ工夫しておられるようで、床下にヒータの熱を送り込む簡易床暖房などの事例もご紹介頂きましたが、、、

最後に質疑で
「ローコストな暖房方法ななんでしょうか?」
って聞いたところ
「今はやっぱりエアコンですね!」

って、即座に答えが帰ってきました。

やっぱりなあ、、、、、、
風であっためる暖房が好きになれなくて、蓄熱式の暖房機をよく使っているのですが、もう一押しのパワーが不足気味、、、、台数を増やせばその分イニシャルもランニングもコストアップ、、、、

エアコンほどシステム効率が上がっているものはないって聞いたし、最近のは自動でフィルター掃除もするらしい!

やっぱ、ローコストではエアコンしか無いか!


西方先生の著書はこちら(楽天)
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「外断熱」が危ない! * 住宅が危ない!シリーズ


最高の断熱・エコ住宅をつくる方法 「外断熱が危ない」著者の家づくりノウハウ




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[ 2011/02/02 16:37 ] 高断熱・高気密 | TB(0) | CM(0)

新住協講習会 

先日、こんな講習を聞きに大阪まで出かけてきました。


講習会

このブログでも登場したことのある「新住協(NPO新木造住宅技術研究協議会)」主催の、高断熱・高気密の手法と改修工事による高断熱化、そして熱損失係数などを手軽に計算できる QPEX というソフトの説明会です。


新築の場合の高断熱・高気密工事の仕様については、普段からこの新住協の手法を参考にさせて頂いていますが、今回の、改修工事への応用については、まだまだ自信が無かったので今回の講習は大いに参考になりました。


簡単に説明すると、改修のポイントは、気流止め!!

写真が切れていて見にくいですが、通常の既存住宅のグラスウールの入れ方は写真左の図面。
50mm程度のグラスウールが外壁側に押し込まれていて、グラスウールと内側仕上材の隙間を、床下から天井まで空気が流れる構造です。

グラスウールは静止した空気の中でしか性能を発揮できず、これだとグラスウールの性能なんて何の価値もない状態。
さらに壁の中の空気の流れに、部屋の水蒸気が吸い込まれ、壁の中や屋根面での結露を助長してしまいます。
断熱改修
改修のポイントは、壁の上部と下部に通気止めを設置すること。
通気止めによって壁内の上昇気流を止め、50mmの断熱材でもその性能を100%発揮させてやれば、結構暖かくなるとのこと。

さらにこの通気止めを圧縮したグラスウールを使って、写真右の図の様に入れてやれば、壁の上下は十分な断熱性のを得ることになり、全体としてみれば、50mmしか断熱材の入っていないのは壁の中央のわずかな部分だけになる、、、、、結構うまいやり方だなと感心!


この壁の上下に入れる通気止めの断熱材、最初は現場で一つずつ袋に詰めていた様ですが、最近はメーカーを巻き込み、工場生産(工場でも手作業の為、結構高いとか、、、)してもらう様になっている様。
これなら使えそう。
GW1 GW2
かなり圧縮して梱包されていますが、もっと薄くないと入らない場合は掃除機を使って2cmぐらいまで圧縮できます。


ポイントになる断熱材の入れ方、気密の取り方
結構有意義な講習会でした。

ただ、大阪は遠いなあ、、、、、中国地方でもやってくれればいいのに、、、
まあ、今回は新住協会員向けの講習がメインということで、会員のいない地方では無理、、、、
(そろそろ会員になろうかな、、、)



岐阜の方の会員の工務店から送られた写真ってのも紹介されてました、、が
この完璧なグラスウールの入れ方!!   (・_・、)
GW入れ方
(ここまでやんなくていいよ・・・って鎌田先生は云っておられました!  (´o`)ホッ )


後日、今湯原で行っている住宅の断熱改修工事のお話を予定しています。
ご期待を!!



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[ 2010/09/11 15:41 ] 高断熱・高気密 | TB(0) | CM(0)

エコ住宅 Q1.0 

1月頃だったか、リプランという北海道・東北の住宅雑誌の編集社から案内のメールが届いていました。(登録した覚えはないんだけど、、、?)

眺めていると、私の高断熱・高気密住宅で大いに参考にさせてもらっている新住協(NPO新木造住宅技術研究協議会)が「次世代基準を大きく超える省エネ住宅」を目標にしたQ1.0プロジェクトの内容・実例を本にして出しているとのこと。

Q1.0-2009エコ住宅 Q1.0(キューワン)
2009年版(定価1,200円)

この手の本にしては安かったので、早速送ってもらいました。

読んでいると、技術的なことは昨年発売した2008年版に書いていると、、、

Q1.0-2008エコ住宅 Q1.0(キューワン)
(定価1,000円)

200円安い。仕方ない、、、、こちらも購入。

2年程前だったか、新住協の代表、室蘭工業大学の鎌田教授の講演が岡山であり、「現行の次世代基準の住宅の暖房エネルギーを1/2(本州以南では1/4)で済むようなプロジェクトを考えている」と話されていました。

それがQ1.0プロジェクト
(Qは熱損失係数のことで、「建物内部と外気の差を1℃とした時に、建物内部から外に逃げる時間あたりの熱量を床面積で割った値」。Qの値が小さい程、建物から逃げる熱量が小さい・・・と云うことができます。)

Q値は次世代省エネ基準で、
北海道はⅠ地域:Q=1.6以下
私のいる岡山県はⅢ地域(勝山以北等):Q=2.4以下と、Ⅳ地域(久世以南等):Q=2.7以下
(この線引きがおもしろい、、)
と定められています。

Q1.0(キューワン)プロジェクトは、Q値を、北海道でQ=1.0前後本州はQ=1.2~1.6程度にすることで暖房にかかるエネルギーを1/2~1/4にしようというもの。

そこまでニーズがあるのか?、、、と思っていましたが、この3年間で既に数百棟の実績をつくったとか!
「次世代基準の高断熱・高気密」さえ、なかなか進まない岡山県の設計者としてはそういう実績はうらやましいかぎりですね。

北海道で暖房エネルギーを1/2に、本州以南で1/4と、本州での目標を高くしているのは、元々、次世代基準の温暖地域での基準値が北海道に比べて緩かったことによります。
(温暖地でいきなり高い設定にしても、誰もついてこないと、、、という計らいから、温暖地ではほんとの目標よりも軽い設定になったよう。誘導基準・入門基準・・・って扱いでしょうか)

このため、温暖地域の数値で次世代基準をクリアした住宅を建て、全室暖房をすると、今までよりもかえって暖房エネルギーが増加するという計算結果があるそうです。

ただし、この計算には地域性が含まれていないような気がしています。
先の鎌田教授の講演で
「北海道ではアイスクリームの消費量が夏ではなく、冬にピークになる。なぜなら、高断熱・高気密の住宅が増え、セントラル暖房で家中ガンガン暖め、Tシャツ一枚でアイスクリームを食べるのが一般的になってしまった、、、」
という話をされていました。

この辺りではそこまでは要求されないですよね!
北海道での「寒さ」はガマンできないでしょうが、この辺りでは「元々ガマンしていた寒さ」。
ほんとに寒いところでは、必要暖房エネルギーの計算で、その地域の最低気温と設定室内温度の差を暖房に必要なエネルギーとして、そのまんまの暖房器具を装備するんでしょうね。

上の計算でいくとかなり大きな暖房器具が必要になってきます。
それだけの装備をしておいて、実際には少ししか使いませんでした・・・・・っていうのが理想的だとは思うのですが、、、。
まだまだ予算の中で、高断熱・高気密の”素地”としての「器」を用意するのが精一杯。理想的な暖房器具・容量を(予算的に)確保するのは難しいです!

今の私の高断熱・高気密住宅の設計ではQ1.0仕様には程遠いですが、
・Q値は、その地域の基準よりも一つ上の基準に適合させる。
・暖房器具は今までと同じくらいのコストで、結露をさせない、ほんのりとした暖かさ。(寒さを感じることもある)
・家の中での服装は、外に出る時にコートを羽織るぐらいの服装。(Tシャツは無理です!)
・冷え込む日は、夏用のエアコンで補助暖房をしてもらう。(エアコンは別途なんですが、、、)

ぐらいでしょうか。
今以上の快適性を目指すために、暖房能力を上げるか、断熱の仕様を上げるか。
やっぱり後者ですよね!

安く!快適に!
買った2冊の本を読んで勉強します!

とりあえず、新住協の熱計算プログラムQPEXの最新バージョンを注文しました。
今までの計算をこれでもう一度やり直してみるのも意義があるかも。
カーテンを買い替える時に、最近見つけた、断熱ブラインドなどに交えるだけで、既に建っている住宅でも今以上の高断熱になるでしょうし、それが計算ではっきりと出ればお勧めもできるのではないでしょうか。

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[ 2009/03/08 13:12 ] 高断熱・高気密 | TB(0) | CM(0)
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